耐震補強のポイント

費用もそれほどかからない


気になる費用ですが、耐震補強そのものにはそれほどかかりません。
たとえば、延床面積100㎡くらいの総2階の戸建て住宅であれば、足元の壁6mの補強で25約万円。
そこに、外壁2面に金物とブレース(鉄筋の筋交い)を入れ、耐力墜にする工事が約50万円です。
さらに、2階2ケ所の床ブレースと金物の補強も行うと、約40円。
合計約115万円です。
これで建物の最低限の安全が確保できるのなら、安いのではないでしょうか。

必要に応じて床の補強も


建物外周の足元がしっかりし、1階に耐力壁がバランスよく配置できれば、耐震補強としてはまずまずといえます。
ただ、もうひとつプラスするなら、2階の床にも注目しましょう。
地震などの横揺れの際には、耐力壁に大きな力がかかりますが、床にも歪みが生じます。
そのため、床が弱いと、大きな被害を受けやすいのです。
2階の床補強としては、金物とブレースの取り付け、更に構造用合板を貼ることで、歪みに強い床になります。
ところで、耐震補強として、日本瓦を軽い瓦に取り替える人がいますが、むしろ土台(基礎を含む)や柱の劣化を補強し、壁、床の接合部をしっかりするほうが重要です。
建物の足元や1階の壁をきちんと調べないまま、屋根材だけ替えても、耐震補強の効果は限定的です。

耐震壁をバランスよく配置


築30年くらいの家を解体して驚くのは、図面通りに仕上がっていることがほとんどないことです。
特に問題なのは、筋交いがあるはずの壁のところに筋交いがなかったり、筋交いがあっても上の端が桁にとどいていなかったり、下の端が釘1本打ちであったり、たすきがけにすべきところが1本筋交いであったり、筋交いに対する認識不足が見られます。
筋交いは、地震などの横揺れに対抗する役目をする部材で、耐震性の確保に欠かせないものです。
筋交いの入った壁を「耐力壁」と呼び、耐力壁が建物の外周を中心にバランスよく配置されていれば、まず安心です。
しかし、筋交いに不具合があって耐力壁の役目を果たしていない箇所があったり、耐力壁の配置がアンバランスであったりすると、耐震性には疑問符がつきます。
こうした場合、柱と柱の聞に構造用合板を張るだけでも、耐力壁としての強度が確実に上がります。
また、柱と土台や梁の接合部を点検し、問題があれば金物などにより補強を行い、ブレス(鉄筋を使った筋交い)を入れるのもよいでしょう。

土台を基礎にしっかり固定


阪神大震災や新潟県中越地震で倒壊した戸建て住宅(多くは築年数の経った木造)をみると、2階はつぶれずに1階がつぶれているケ1スがほとんどでした。
これは、柱の下部が腐朽やシロアリの被害で弱くなっていたり、1階の壁の筋交いに不備があったりして、地震の横揺れに耐えられずに倒壊したものです。
つまり、耐震補強は何より、土台や柱など建物外周の足元と、1階の壁がポイントになります。
木造2階建ての平均的な戸建て住宅でも、総重量は40トンから却トンといわれます。
建物の下でこの重さを支えているのが、土台です(基礎はここでは問題ないものとします)。
土台は、基礎の上に横に寝かせ、アンカーボルトによって基礎としっかりつないで固定します。
ところが、築初年くらいの家の中には、土台が腐朽していたり、アンカーボルトが不足していたりすることがあるのです。
こうした場合、腐朽部分の土台は木材を取り替え、アンカーボルトが不足する部分は金物を使って土台と基礎を緊結したりします。
こうして、土台を基礎にしっかり固定することが、足元の補強の第一歩です。
、柱が土台にきちんと固定されている必要があります。現在では、建物の四隅の通し柱は、ホールダウン金物で土台と基礎に固定するのが一般的です。
しかし、築30年らいの建物ではほとんどみられません。
後からホールダウン金物を取り付けるのは難しいのですが、他の金物(山形プレートやかど金物)で補強するだけでも効果的です。

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